任意保険

【任意保険】他人を守る保険は対物賠償責任保険・対人賠償責任保険

自賠責保険は他人を死傷させてしまった場合に対象となる、他人を守る保険です。

ここでは、任意保険の【他人を守る保険】はどんな時に補償され、どんな補償があるのかを紹介していきます。

損害賠償責任は法律で決められている

事故を起こしてしまった人はその損害について、法的責任を負わなければいけません

これは法律(民法)で定められています。

法律上の損害賠償責任とは

故意・過失により、他人の財物を壊してしまった場合や他人の財物を壊してしまった場合など、相手方に与えた損害について賠償する責任のことをいいます。

この賠償責任を補償するのが、【他人を守る保険】になるということです。

他人を守る保険

【1】対物賠償責任保険(たいぶつばいしょうせきにんほけん)とは

対物賠償責任保険とは対物保険と言われるものです。

名前の通り、他人の物を壊してしまった時の、損害における法律上の賠償責任を補償するものです。

  • 車を走行中、前方不注意で他人の所有する前方車両に接触し損害を与えてしまった場合
  • 車を走行中、他人の所有する自転車へ誤って接触し損害を与えてしまった場合
  • 車を走行中、よそ見をして他人の所有する塀・フェンスへ損害を与えてしまった場合

 

わかりやすく紹介すると上記の例のようになり、この場合、車両・自転車・塀、フェンスが対象物となります。

対物保険は、あくまでも保険に契約している自動車が起こしてしまった事故で損傷を与えてしまった物の損害を補償する保険です。

対物保険では、どういった項目が補償される?

  • 自動車、自転車、フェンス等静止物に対する修理復旧費用
    (事故当時の物の価値(時価)を限度に補償)
  • 車の修理期間中の代車費用
    (妥当修理期間中を認める)
  • 営業車や商用車が事故により被った営業損害・休車損害
    (代替車両がある等、会社の利益に影響がない場合は対象外)
  • 損傷復旧に関わる、人件費等の必要経費
    (高速道路や車の通りが多い道路の場合、復旧作業を行うにも交通誘導員等、作業員が必要なため)

項目を挙げていくとまだまだあります。

事故により損害を与えてしまった物を復旧するために必須項目が対物保険の補償の対象になるとも言えます。

【2】対人賠償責任保険(たいじんばいしょうせきにんほけん)とは

対人賠償責任保険とは対人保険と言われるものです。

名前の通り、他人に怪我をさせてしまった時の、損害における賠償責任を補償するものです。

  • 車を走行中、不注意で前の車へ衝突。前の車に乗車していた人が怪我をしてしまった。
  • 車を運転中、左折の際に左を並走していた自転車と接触し、自転車に乗っていた人を負傷させてしまった。
  • 車を走行中、赤信号を見落とし、横断歩道を渡っている人と接触してしまった。

 

このように、相手方が自動車に乗車しているかしていなかいは問われません。

対人保険では、どういった項目が補償される?

対人賠償責任保険(対人保険)の補償項目は、基本的には自賠責保険(強制保険)と同じです。

・治療費(診察料、入院費、投薬料、手術料、処置量)
・通院費(通院や転院、退院に要した交通費)
・休業損害(通院、入院の際の収入の減少)
・慰謝料(精神的、肉体的苦痛に対する補償) など

【自賠責保険】注意!他人に与えてしまった人身損害しか補償されません。私は某損害保険会社で示談交渉を担当していましたが、示談交渉の際に事故の相手方とお話をする際に、状況によって任意保険へ加入しているかどうか...

自賠責保険(傷害120万円、後遺症4000万円、死亡3000万円限度)は被害者救済のための最低限の補償であるのに対して、任意保険では最低限の補償を超えた部分を補償すると考えて頂いて問題ありません。

自賠責保険しかり対人保険は、あくまでも保険に契約している自動車が起こしてしまった事故で負傷した方の治療費等を補償する保険です。

保険金額は金額無制限で付けるべし!

対物保険・対人保険は、保険金額(支払い限度額)を決めることが出来ます。
任意保険会社にもよって変わりますが、【保険金額1000万円・5000万円・金額無制限】、一例ですがこのように金額を決められます。

間違えなく、お勧めは無制限です。

【事例】過去の自動車事故での高額賠償事案(高額の保険金を支払っている案件)
①貨物列車と自動車接触事故のケース・・・賠償額約1億1,000万円
②高速事故にて積み荷を運んでいたトラックへ追突・・・賠償額約2億6000万円
③自動車事故により助手席に乗っていた人が重度の負傷・・・賠償額約3億6000万円

このように、大きな事故の場合このようにかなり高額になってしまう可能性もあるということです。間違えなく、対物保険・対人保険の保険金額は無制限をお勧めします

対物保険・対人保険で高額の補償がされた場合、次年度の保険料が気になりますが、自動車保険は支払った保険金によって次年度保険料は決まりません
保険を使用して30万円を補償した場合でも、1億円を補償した場合でも、等級が3つ下がることから保険料は上がりますが、支払い額によって保険料が増えることはないのです。

まとめ

事故は、事故相手の方の人生を変えてしまうだけではなく、あなたの人生も大きく変えてしまう可能性も十分にあり得ます。事故が起きてからでは遅いのです。

他人を守る保険、万が一のことを考えて、対物・対人保険の保険金額(保険で補償できる金額)は無制限でつけてください。

  • 自動車の任意保険(対物・対人賠償責任保険)は、損害における法律上の賠償責任を補償するものであり、100%悪くない事故のケース等では、被害者の保険会社は損害賠償金を加害者に支払う責任が一切ありません
  • そういった事故の場合は、保険会社は支払う責任がありませんので相手方と示談交渉を行うことが出来ません
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